弓指寛治をこれから調べる。みんながコミットできて、文脈の幅と深さもあって、作家としての物語の強度もあるなんて。

2020/01/31
10代、20代の人にどんなテレビ番組を観るのかとたずねると「あんまし観ないっすね」と答えるというのは結構前から。そのリアクションの中でも「テレビのお笑いが、何やってるかわからない」というリアクションが興味深くて、つまり、テレビのお笑いってなんなら80年代の漫才ブームやドリフや志村けんの時代から、とんねるず、ダウンタウンを経て、そこにかぶせてかぶせてかぶせて、今の笑いになっているので、その文脈がわからない若い人は「テレビのお笑いが、何やってるかわからない」になるわな、そりゃ。

ある文化のこういった状態って「伝統芸能」というと言い過ぎかもしれないが、少なくとも「ハイコンテクスト」な状態ある。簡単にいうと、敷居が高い状態なわけですな。
テレビのお笑いだけじゃなくて、マンガもアニメもファッションもグルメもネット文化も、もちろんそういう側面は持っていると思うけど。

ハイコンテクストをだからこそ面白い、ということもある。深みのある面白さだ。
しかし、コンテキストを共有していない文化圏の人に対しては閉鎖的になってしまい、コミュニケーションの断絶が生じるというデメリットもある。

どういう形が優れている、ということは無いと思うのだが、個人的には、できるだけ多くの人に開かれていつつ、見る人が見ると、かなり深読みができる、というコンテンツが素晴らしいと思っている。
それが、現代アートでも、マンガでも、アニメでも、JPOPでも、B級グルメでも、スポーツでも。

そういう意味で、
アンディ・ウォーホルや村上隆は凄いし、エヴァンゲリオンは凄いし、ユニクロも凄いし。

なんていうか、こういう意味で「弓指寛治」というアーティストがすごく面白くて、ぜひ皆さんも調べて貰いたいのですが、あらためて、ああ、日本国内でこんなに射程の広い現代美術って成立するんだな、と、ワクワクしてます。
少なくとも日本人全員に関係がありつつ、その奥は深く、比較する対象となる過去の作品や出来事の範囲も広い。そして、彼の作品を彼が作る理由も強く、作家自体が物語を持っている。

実はあんまりよく知らないし、まだ実際の作品を観たことがないので何とも言えないが、コンセプトと概要だけでもう凄いと思うんです。これからもっと詳しく知りたい作家さんです。

関連動画とリンクは↓




弓指寛治 - Wikipedia


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