パンダは上野で新幹線で。
2021/05/24
先週「あなたの関心を教えて下さい」に頂いた、おださんからのコメント。
いつも楽しく拝見させていただいております。
私事なのですが、パンダのシャンシャンが好きで昼休み時間に動画を見るのが習慣化してきました。
昨日のシャンシャンが何とも言えない味があったのでお時間ありましたら見てみてください。
はい、観ましたよ。確かに味わい深いです。
どうしてこんなにカメラがシャンシャンに寄っているのかは謎ですが、いい食いっぷりですね、シャンシャン。
この日から、このチャンネルの動画は定期的にチェックしていますが、5月22日のシャンシャンもいい感じです。
なんか嫌な事でもあったのかしら?と心配になる感じの食い方しています。ちょっとキレてんのかな、っていう。
それがこれです↓
さて、調べたところによると、シャンシャンは、上野動物園のメスのジャイアンパンダです。4歳です。
パンダって、寿命が13年くらいなんだって。つまりシャンシャンは寿命の3分の1くらいのお年頃のようです。
80から90歳くらいまで生きる人間でいうと、アラサーくらいですかね。女ざかり。
良い機会なので私がパンダについて知っている、ありったけの事を書こうと思います。
タイトル「パンダは上野で新幹線で」
幼少の頃、一緒に暮らしていた私のおじいちゃんは、私が3歳の時に直腸がんで死んじゃったんですが、その死んじゃう年にちょうど上越新幹線っていう、新潟駅と東京駅つなぐ新幹線が開通するっていう年でした。
新潟から高崎を通って、大宮、上野、東京駅が終点。
新潟県民には、なじみのある上京ルートですね。
忌まわの際のおじいちゃんは、まだ62、3歳くらいだったと思います。
割と若くして死んじゃったと思います。
よくおじいちゃんは、小さな私にこう言っていました。
「新幹線で上野動物園行って、パンダ見よう。」
ランランだか、カンカンだか、ホアンホアンだか。そういう名前のパンダがいるとのことでした。
新幹線とパンダ。
なにやら、高度経済成長の香りがしますね。そんな時代です。
おじいちゃんは、分厚い文庫本みたいな本をいつも持っていて、
「よし、これから上野に行く。各駅で行く。」って言って、結構長い時間その本をじっと見る。
「行かないの?」と、私が訪ねても、まだじっと見る。
たまにぺらりとページをめくって、またじっとみ見てる。
おじいちゃんは、時刻表を読んでいたみたいです。
何鉄?これ何鉄っていうの?時刻表鉄、ってある?
うちのおじいちゃん、鉄道マニアだったみたいね。
そんな感じで、ずっと黙って時刻表読んでて、急に、
「はい上野ー!上野ー!」
って言うの、ビクッ!ってなるわ。
そんなおじいちゃんとは、結局一緒に上野に行くことは無かったです。
死ぬ間際のギリの時、私が話しかけると「新幹線でパンダ。」って言いました。
死ぬ間際のギリの時、私が話しかけると「新幹線でパンダ。」って言いました。
まだ3歳で小さすぎたので、人が死ぬのがよくわかってなかったと思うんで、悲しいとか全然なかったのですが、この最期の「新幹線でパンダ。」っていうのは、すごくよく覚えています。無念な感じというか、なんというか。
こういう体験があったからかどうかは知りませんが、私は「がん」で比較的若くして亡くなる人の話とか聞くと、ぼんやりパンダを連想してしまうようになっています。パンダ見れたかな、って。
新幹線で見に行く上野のパンダ。
私はこれに「死ぬ前に見とかないといけないもの」の象徴、のようなイメージを持っています。
見ずには死ねないもの、っていう感じです。
まあその後、中学生くらいの時に見に行ったけどね、上野のパンダ。
そんなことより、私が感じていた「上野のパンダ」というスペシャルなイメージの源泉は、日本のパンダって上野にしかいない希少性、っていう認識だったのだけれども、和歌山とかにいっぱいいるのね。びっくり!世間知らず!
おわり。