コテンラジオ経由でハマった、仏教と脳科学とマトリックス

2022/01/05
去年の下半期はハマったコンテンツがいくつかありました。
何個かあるんですが、今回は取り急ぎ、こういうのをご紹介します。


コテンラジオからマトリックス、
さらにリベラルアーツで仏教&脳科学

というわけで「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」にハマって、Spotifyとユーチューブでずっと聴いてました。
2022年になって去年を振り返った時に、この「コテンラジオ」から派生したコンテンツの広がりがとても面白かったです。

ニュースでもゴシップでもアートでもエンタメでもなんでもそうなんだけど、その1個のコンテンツを起点にしてどれだけの範囲に興味の枝葉が伸び、見識が拡がるかという点が「熱いコンテンツ」の評価ポイントになると思っています。
言い換えれば、「射程が広いコンテンツ」とも言えるし、それが発火点になって、議論やコミュニケーションが活発に促進される「火種」のようなもの、というイメージです。

去年、私は「コテンラジオ」をリアルタイムで追う前に、過去のアーカイブを掘り起こして聴いていました。織田信長編から聞き始めました。エリザベス1世とか、ヒトラーとか、世界大戦とか、テーマはたくさんありますが、私が特に面白いと思ったのが「最澄と空海編」でした。


まずこれ↓


歴史を面白く学ぶコテンラジオ
最澄と空海編(全10回)2020年9月~10月公開


まずこれ。これがこれからご紹介するコンテンツ群の起点になります。

コテンラジオは、学校の歴史の授業とかで習うような偉人とか歴史的な出来事を、たっぷり時間を取って丁寧に教えてくれる音声コンテンツです。
歴史モノのコンテンツっていろんなメディアで死ぬほどあるけど、この「コテンラジオ」のいいところは、現代人の我々が評価しやすい材料を丁寧に提示してくれるところだと思っています。

少し脱線しますが、私は仕事でWEBマーケティングとかをやってるのですが、例えばあるショッピングサイトの売上を増やしたい場合、最初にやることはまずは「現状把握」です。このサイトはいまどんな状態なのかを分析して評価します。
で、その「評価」ってどうすればいいのかというと、基本的には「相対評価」。比較して評価します。っていうか比較しないと評価できないです。

切り口はざっくり4つ。

1つめは、「去年の今頃と比べて増えたか減ったか」「一昨年と比べて増えたか減ったか」という昨年比での数字評価。
2つめは、推移の把握。毎月ごとの変化を把握して、今はどういうステータスなのかを評価する。
3つめは、競合比較。ライバルや同業他社のサイトや商品との比較で評価する。
4つめは、理想像や目標数値と実績とのギャップがどのくらいかを比較して達成率で評価する。

こんな感じで、対象となるWEBサイトの「現在地」を客観的なファクト(事実)の集積によって、相対的にあぶり出すわけです。主観的に「思ったよりいい感じ」とか「俺は好きだ」とか、そういう感想は排除して対象の輪郭を描いてゆくわけです。

話を戻すと、「歴史モノ」のコンテンツって、なんか「ロマン」みたいな主観的、希望的推測で彩られているものが多い気がして、いまいちハマれない事が多いのですが、その点コテンラジオは「ファクトの集積」に徹底しており、なおかつ「同時代・別エリア」や「同エリア・別時代」との比較評価や、どのような文脈でそれが起こったのかという推移と変化。他にも、類似する出来事や人物を並列的に比較することで、語り部による主観的な価値の押しつけを出来得る限り排除している。そこまでやって、ようやく浮かび上がったイメージをパーソナリティーの3人とリスナーが共有できた段階で、パーソナリティーの個人的な感想がポロリとこぼれる。それにリスナーも共感したり唸ったりする、という感じです。とても丁寧に作られたコンテンツだと思います。

パーソナリティは、株式会社コテンの深井龍之介さんとヤンヤンさん、株式会社BOOKの樋口さんという方々。みなさん福岡で会社経営をされているようです。ファンです。

で、「最澄と空海」の回では、この歴史上の2人の偉人の生涯を縦軸としながら、そもそも「仏教」というものは当時の日本にとってどういうものだったのか?そして、現在進行系で仏教ってどういうことになってんのか?ユダヤ教やキリスト教とは何がどう違うのか?神様という概念はあるのか?「悟る」ってどういうことなのか?・・・というあたりまで触れているのです。

すごく面白い。


この「最澄と空海」の回を一通り聴いたあと、まず、映画「マトリックス」を見返すことになります。
仏教の「唯識(ゆいしき)」という考え方を知った上で観ると味わい深いです。

私は既に公開当時に観ているんですが、あらためてアマゾンプライムとかで3部作を一気に観ました。

ちょっと話は逸れますが、、監督のウォシャウスキー兄弟が2人揃ってウォシャウスキー姉妹に転換したじゃないですか。で、その背景を踏まえてトランスジェンダーのアイデンティティによって語られた世界観として「マトリックス」を観ると、また違う捉え方になりますよ。すごいですね、マトリックスって。



コテンラジオで「最澄と空海」を聴いた後に「マトリックス3部作」を観た。
そして、箸休め的にこれを聴いたんですよ。

COTEN RADIO 番外編「今の時代になぜリベラルアーツが大切なのか?」



リベラルアーツ。なんとなく「教養」というニュアンスで認識していました。

自分の人生経験からでは得られにくい、多様な価値観や価値尺度を持つための学び、というか「コンテンツ」ですね。
そういう定義でいえば、他社の経験談や歴史書に学びを得る事は、人間の内面を豊かにするでしょうね。
「リベラルアーツ」というキーワードがなにか気になる言葉になりました。


そしたらSpotifyのポッドキャストでこれですよ。

「a scope」リベラルアーツで、世界を視る目が変わる
これは、コテンラジオの深井龍之介さんがMCを務めるポッドキャストです。様々な分野の第一線で活躍する研究者をゲストに招き、リベラルアーツについて語りながら「この世界」を捉え直していく音声企画。というやつです。

特に面白くて何回も聴いたのが、松波龍源さんのゲスト回。

コテンラジオの「最澄と空海」の回はとても面白かったんだけど、で、いまってどうなの?現代の僧侶って、どう考えてんの?というのが気になっていたんです。
その回答があります。これです↓

2021年10月公開


そして、仏教・東洋哲学とは別の経路で同じ地点にたどり着く、心理学者・脳科学者の乾敏郎さんの回も面白かった。これです↓

2021年12月公開



どう表現したらいいかアレですが、スピリチュアルなものではなく、仏教哲学によって完全にロジカルに語られ、そしてサイエンスの裏付けを得て垣間見る「世界の仕組み」のようなもの。


このように、コテンラジオ「最澄と空海編」からの「マトリックス」からの「a scope」の流れがエキサイティングです。

お時間があれば、ぜひ楽しんでみてください。


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