機械の声とベジェの絵で電気羊の夢は見れるか
「イチロウ」と「ハルカ」と「アユミ」だ。
便利なもので、テキストの読み上げツールのようなものは、無料のものがいくらでもあるし、PCやスマホやタブレットの中にも最初から入っている。最近では、自分の声を何度も聴かせることで、自分とそっくりな声色を再現するアプリなんかもある。なんならボーカロイドもあるし、それの廉価版みたいなのもいっぱいある。
声を聴かせてくれ。
絵を連続して切り替えることで、それがまるで動いて見えるという「目の錯覚」を楽しむのがアニメーションなのだと思うが、やはり、そこに音を付け加えると、ぐんとその錯覚感が増す。最初からそんなものは存在してないのにもかかわらず、臨場感というか「そこにある感」が突然現れる。
機械で生成された「人の声」の異様さ、まあ、言い換えれば彼ら(機械)の不器用さともいうべき発音とフロウ。それが独特の方言のように聞こえて、なんだか逆にぬくもりすら感じてしまう。これはこれでいいんだろう。
そんな中でマイクロソフトの「アユミ」が良い感じの訛り感だったので、この声を我がベジェ曲線に吹き込もうではないか。
あらかじめ作っておいた、スマホで電話する女のアニメーションに、「アユミ」にしゃべらせた音声データを乗せて編集。
アユミにしゃべってもらう内容は、できるだけ人間臭くて生臭いものがいい。貸した金を返してもらう催促、のような内容がいい。ちょっとキレ気味に作る。
こんな感じだ
意外といい。思ったよりも気持ち悪くなった。いい意味で。
これで、結構いろんなことができるようになったと思う。
ちなみに、アユミにしゃべらせた内容はこれだ。
このテキストをそのまま読ませている。
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あの、うん、あのね、先月かした、おかね、今日かえしてよ。
いちまんえん。一万円。いーちーまーんーえーんー。
すぐかえすって、いってたじゃん。
きょう、かえしてよ。ねえ。
いるのよ、おかねが、きょう。
いちまんえん、必要なの。きょう。
あしたじゃ、むり、むりむり。きょう。いま。いーまー。はーやーーくー。
きーてーよ。これから。そう。いま。
え、うん、ごせんえん? とりあえずごせんえん?うん。
え、だめだめ、え、だめだめ。だーめ
いちまんえん。一万円。いーちーまーんーえーんー。