クローズアップのこのショットから始めよう。
2022/02/16

これが最初のシーンである。
この、国見高校サッカー部の2年みたいなこいつが主人公である。
双眼鏡で何かを見ているクローズアップのショットから始まるのだ。
双眼鏡で何かを見ているクローズアップのショットから始まるのだ。
これまで、止まった絵を動かしたりすることがアニメーションで、そのコツコツした作業の果てに作品の完成があるように思い込んでいたのだが、そうではないようだ。
たしかに、止まった絵を動かす作業はとても面白い。あの作業は慣れてくるとずっとやってられる。「動いたー!動いたー!」と飽きずにずっとキャッキャしてられる。ほぼ、赤ちゃんである。
しかし、この調子ではたどり着きたい地点には一生到着しない。楽しいけど進まない。
というわけで、腹を決めてシナリオと絵コンテを書き始めた。
この作業は、楽しいが辛い。
自分にハードルとタスクを課しながら、もっと自由に飛べと言い続けるような作業だ。
ショットの連続で大きな流れをつくって、それぞれのショットの中の動きをアニメーション的コツコツ作業を伴いながら演出する。
まずは冒頭のショットだ。

彼は探している。
探しているものは、たぶん見つからない。
つづく。
おやすみなさい。