SUZURIとデジタルマーケティング。赤い糸を手繰り寄せるちょっとした工夫。

2022/09/22
SUZURIというオリジナルグッズ販売のWEBサービスを利用して、オリジナルデザインのTシャツとかスマホケースとかを売っている。
このサービスを利用して丸一年になるが、意外と、売れている。
いや、「意外と」ではない。買っていただけるように、地味にいろいろ工夫している。

「SUZURI」について、ざっくり仕組みを説明しよう。
まず、無料で会員登録(アカウント作成)して、自分「ショップ」をつくる。そのショップに、自分で作った画像をアップロードする。アップロードした画像を、あらかじめSUZURIで用意されている商品(Tシャツやトートバッグや、ステッカーやパーカーなどなど)に、貼り付ける。PCのブラウザ上で貼り付ける。簡単。
あらかじめ用意されている商品は、無地。そこに、自分で作った画像を貼り付けることで、オリジナルグッズが作れる、というわけだ。

こんな感じ↓簡単。

poperきゃぷ


このように、オリジナルグッズをつくったら、店に並べるのだ。
私は、魚釣りをテーマにしたショップを作った。
こんな感じのショップだ。「FISHING without FRIENDS」という店名にした。センスが良い。

FWFキャプチャ





さて、このようにオリジナルグッズを作って、ショップを作ったわけだが、こうしただけで自動的に売れるわけはない。
私は、このショップを作るにあたり、まず、以下のような点を考えた。

  • 自分が好きな物(ジャンル)しか作らない事にする
  • 自分が詳しい物(ジャンル)しか作らない事にする
  • それ(そのジャンル)のファンだけ買ってくれればいい
  • それ(そのジャンル)のファン以外も買ってくれたらもっといい

これは、商品を作って売るという行為に「パワー」を与える基本ルールである。

それ(そのジャンル)には、一定数のファン層と市場があると望ましい。
好きな事に取り組んでいる時、人間は「パワー」を発揮する。
「パワーはすごい」という事を、私は知っている。


しかしながら、この心意気だけでは商品は売れない。
「売れる」というのは、言い方を変えると「買われている」という事だ。
その状態にするために必要なファクターはこうだ。

・その商品が、ターゲットにとって魅力的であること
・ターゲットが、その商品に無理なく出会える機会がちゃんとあること

ひとさじ、スプーン一杯の「マーケティング」。

マーケティングの神髄は、極論ではあるが「魅力的な商品の開発」に尽きる。それに勝るものはない。魅力があれば買われる。魅力がなければ買われない。目の前に、鼻の先にその商品をぶら下げて「今なら80%OFF!」としたところで、その人にとって魅力のないものは買われない。そもそもいらねえし。

では「魅力的な商品」とは何か?色々ある。
「生活を変えてしまうようなとんでもない利便性」というのもあるし、「ちょっと役にたつ」というのもある。
しかし「SUZURI」で用意されている商品は、アパレルと雑貨がメインだ。利便性を訴求する商品ではない。
ということは「素敵なデザイン」「好みのデザイン」を商品化するしかないわけだ。「素敵」とか「好み」というのは、主観的なものなので、全員に対して圧倒的に支持される商品など存在しない。
プロダクト(商品)をデザインするポイントは、「誰にとって素敵なデザイン」なのか?「誰に好まれるデザイン」とするのか?という事である。

つまり、「私は誰を幸せにしたいのか?」であり「私は誰を幸せにできるのか?」という命題を向き合うべきなのである。


ここで「パワー」についてもう一度考える。「パワー」を忘れてはいけない。
自分が好きな物を作るのだ。
自分が好きな物を作り、自分と同じものが好きな人に届けるのだ。それが「パワーを伴った素敵な商売」だ。


ここまで書いてみて、自分的には、この屁理屈になんら矛盾を感じない。ロジカルである。アイ・アム・ロジカル。

上記の事を踏まえて、条件にあるジャンルがある。「魚釣り」である。
まず、私は魚釣りが好きだ。私自身が欲しいものをちゃんと作れば嘘はない。
それに、釣り人の「釣り」に対する執着はすごい。数値化できるものではないが自分も釣りが好きなので、そこは肌感覚で分かる。平均的な熱量が高い。
さらに、幅もひろい。先週はじめたライトユーザーもいれば、命がけの老練ヘビーユーザーも存在する。ファミリー層もいる。一定量の市場が確実にある。

「魚釣り」をテーマにした商品を作って、釣り人を中心に買ってもらおうと思った。
ただ、すべての釣り人を魅了することはできない。それは無理だ。なので、ここはわがままになって、自分自身が「魚釣り」というカルチャーに対して「こういう風になるともっといいのにな」という願いのようなものを織り込んで、デザインに反映させることにした。それは何か?というのは、ここでは割愛。

さあ、ここからが実務である。

商品と店はできた。
ここからの課題は「釣り人」と出会えるか?である。
広告プロモーションはお金がかかるので、当面は広告はやらずに、無料で出来る事をやる。利益額が少ない小売りの場合、広告に依存すると利益が飛んでっちゃうので、妥当な量が売れる光が見えるまでは広告は出さない。

という事で、どうするか?
まずは「SUZURI」の中で「魚釣り」の商品を探している人に、確実に知ってもらいたい。「魚釣り」で検索している人は、きっと「魚釣り」が好きだろうし、いいデザインのものがあれば買おうと思っている人だからである。


さあ、ここからがSUZURIのシステムと私との知恵比べである。

結果から見せよう。
こうだ↓ 

スズリ魚釣り




おわかりいただけただろうか。
「魚釣り」で検索した結果、私のショップの商品が全体のほとんどを占めている状態である。
わかりやすく、私の商品を赤枠で囲んでみた。
こうだ↓

スズリ魚釣り赤枠



これで、私の商品が「魚釣りが好きな人」と出会う機会が作れたわけである。
こういうのを専門用語で格好つけて言ったのが「サーチ・エンジン・マーケティング」である。もっと格好つけて、頭文字をとって「SEM」ともいう。


主に、インターネット上で行うデジタルマーケティングというのは、TVCMや新聞広告のように大多数に対して一気に知らしめるような「マスプロモーション」ではなく、出会いたい者同士がスムーズに結びつくための「マッチングの工夫」である。

インターネットは、こういう事ができる。
赤い糸は必ずある。
信じてたぐり寄せるかどうかは、あなた次第。



Comments 0

コメント、まだ無し。




投稿フォーム