うどんやパスタをラーメンにする方法〜ラーメンは生きる希望〜

2023/10/01
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ラーメンが嫌いだという人は存在するのだろうか?

まったく存在しないということは無いとは思うが、きっと300人に1人くらいは「そこまで好きではない」みたいな温度感の人が居る可能性はあるかもしれない。とは言え、私はこれまでに一度も「ラーメン嫌い」に出会ったことがないのだから、おそらくかなりの希少種なのではないだろうか?

Netflixで映画「南極料理人」を観た。南極の基地に派遣された料理人と調査員の毎日を描いたコメディタッチの楽しい日本映画。劇中、一部の調査員が厨房から勝手に食料を食べてしまい、ラーメンの在庫が無くなる事態になる。ラーメンを南極生活の心の拠り所としていた隊員は絶望するが、なんとかしてラーメンを作ろうと工夫をし、ようやくラーメンを食べられるぞ、という謎の感動シーンがある。


このシーンのラーメンは、とても美味しそうだった。

中華麺の在庫が無くなった南極で、どのようにしてラーメンを作ったのか?劇中では、小麦粉はまだあるので、それを麺状にする事はできるが、それでは「うどん」になってしまう。

うどんのような小麦粉麺を中華麺にするには「かん水」というものが必要なのだそうだが、それが無い。しかしその「かん水」というのは、炭酸ナトリウムの水溶液みたいなものらしいので、それを何かで代用できないか?という工夫がなされ、結果的に「中華麺的なもの」の製造に成功するのである。

重曹、あるいはベーキングパウダーである。

私は以前、これをやった事がある。どうしても家でラーメンを食べたくなり、これをやった。私はパスタでこれをやった。

パスタを茹でる際、湯の中に重曹(ベーキングパウダー)をスプーン4.5杯くらい入れると、麺の色が黄色っぽくなる。匂いもなぜか中華麺を茹でている匂いになる。不思議である。味もちゃんとラーメンになった。


最近、ニュースでラーメン店の廃業が相次ぎ、コロナ禍真っ只中の2020年の過去最悪の廃業率をさらに更新するほど良くない状況らしい。材料や光熱費などの価格高騰が要因だとされている。大変だ。

ラーメンは美味しい。みんな大好きだ。しかし「安価で食べられるファストフード」というよりは、結構なご馳走になっていて、一杯千円なんて普通になってきた。

原価が高くなるから販売価格も上がる、でも消費者が金持ちになっているわけじゃないから売れなくなる。これは「スタグフレーション」というやつなのだろうか。恐ろしい。

私は、好きなラーメン屋さんを「気に入ったロックバンド」のように思っている。私が生活して生きていく上でラーメン店は「絶対に必要」ではないかもしれないが、解散すればそりゃ悲しい。でも、やはり他のバンドも並行して聴いたり新しいバンドも聴いたりするように、ラーメン屋さんも別の店や新しい店にも行ったりする。なんだかんだでお気に入りの代わりは見つかる。

ラーメン屋は「絶対に必要」ではない。だからこそ絶対になくてはならない。と思う。ラーメンなんてものは、体に悪いジャンクフードだ。だから良いのだ。

これからもずっと、そういうものに囲まれていたい。