餅に包んでめでたし、めでたし

2024/01/03
童話や日本昔ばなしのハッピーエンドって、「いつまでも仲良く暮らしましたとさ」という終わり方になっている事が多い気がする。ほっとするラストシーンだと思う。
民話とか昔からあるおとぎ話は、若干のマイナーチェンジはあるかもしれないが、大昔の人々の価値観や人生観がいくつもの時代を超えて保存されているタイムカプセルのような気がする。
いつまでも仲良く暮らしましたとさ、
めでたし、めでたし。
ハッピーエンディングはこれ。
いまいち冴えない暮らしの中でトラブルが起こり、それをなんやかんや解決し、いい感じになって調子に乗り、足を掬われ、痛い目に遭い、反省して償い、許され、いつまでも仲良く暮らしましたとさ。めでたしめでたし。である。
このような「昔ばなし的人生観」というのは、なんだか「いつもの味噌汁」のようなつまらなさとダサさがある。地味である。
私はずっとこういうのが退屈で好きではなかったのだけれど、最近は逆に「やっぱこれが一番大事よな」と思うようになった。これは加齢によるところなのか、それとも戦時下・災害時における安定を望むリアクションか、またはその両方か。
ちなみに、私が一番好きな日本昔話は「三枚のお札」というお話だ。
夜の山中で迷って困った小僧が親切なお婆さんの家に泊めてもらう事になるが、そのお婆さんが鬼婆だと気付いた小僧は「ち、ちょっとトイレに。。」と逃げ出そうとするがバレてチェイス。そこから超能力バトルを経て、和尚と鬼婆のラスボス対決。心理戦。和尚が鬼婆を餅に包んでパクッと食べちゃう鮮やかな結末。このラストの「餅パク」が特に素晴らしい。右肩上がりに加速するサスペンス・ホラーが一瞬でユーモアにひっくり返って、何事もなかったかのように日常風景に着地するのである。めでたし、めでたし。
スリルとサスペンスは人生のスパイスではあるが、目指す地点は「餅パク」だ。