彼にとって、世界はどこに存在したか。
2009/02/04
彼が死ぬまで、誰も彼が何者だったかを知らなかった。
■彼の略歴
- 1892年4月12日シカゴで生まれる。
- 4歳になる直前に生母と死別。また、妹は里子にだされる。足の不自由な父に育てられる。
- 読書が好きで、小学校1年から3年にに飛び級をした。
- 8歳で父親が体をこわして救貧院に入り、ヘンリーはカトリックの少年施設で過ごす。
- 友達とコミュニケーションがうまくとれず、退学を体験する。
- 12歳の頃、感情障害の兆候が現れたという理由で、知的障害児の施設に移される。
- 15歳で父が死去した事を施設で知る。
- 16歳で施設を脱走。260km徒歩で歩き、シカゴに戻る。聖ジョゼフ病院の掃除人として働き始める。
- 19歳の時『非現実の王国で』の執筆を開始。執筆はダーガーの死の半年前まで続けられた。
- 33歳の時、教会に養子を申請するが却下。だがあきらめきれず、何度も申請し続ける。
- 73歳の時、掃除人の仕事を強制的にやめさせられる。できた時間で自伝を執筆する。
- 1972年の暮れ、病気のために救貧院に。アパートの大家であるネイサン・ラーナー(アーティストでもあった)が彼の部屋に入り、彼の作品を発見して驚嘆した。ダーガーは、それが作品という意識がなかったらしく自分が死んだ時には全ての持ち物の焼却を希望していたとされる。
- 救貧院にて、1973年4月13日、81歳で死去。ラーナーはダーガーの死後も部屋をそのままの状態で、2000年まで保管した。