イーゴン自治区

白い密集

2009/02/23
10年くらい前、私がはじめてインターネットってのを使い出した頃。
友人に「なんでも探せるよ、YAHOO!で。」とか言われて、
なんだかすごいものがあるぞ、と、思いながら、
さて、何を探してみようか。
どんなサイトがあるのかしら。なんていう具合に、
好きなミュージシャンのサイトや、映画監督のサイトを探したりした。

しかしながら、それ程お目当てのサイトなんて無くて、
探したい事もなくて、興味があることも思いつかなくて、
不思議な事に、途方にくれた経験がある。

こんなにすごい情報のどこでもドアが目の前に開いているというのに、
私はじっとして、動けないでいる。
大富豪が、お金の使い方がわからなくなるのって、
こんな感じの無力感なのだろうか、なんて思ったりもした。

それから数年後、私は何かの縁とタイミングで美大受験の研究所で
高校生に教える仕事をする事になったのだが、
そのときの生徒達とは、よくこんな話をしていた。

私:「俺たちの頃には無かったけど、お前にはインターネットとかあるだろ
   知りたい事があったら、すぐに手が届くんだよ。すごいよな。」

生徒:「そうなんでしょうけど、でも、何を調べていいやら、
    自分が何を知りたいのやら、そんな事がわからなくなるんです。」

私:「ふざけんなよ。俺が学生の頃は・・・。」


これって、今思い返してみると、私のおじいちゃんが
「戦時中は食うものがなくてな。それに比べて・・・」
みたいな会話だな、とおもう。

話を戻すと、そんな私が、YAHOO!の前で途方にくれていた頃、
ええい!ままよ!とばかりに適当に検索した結果ページにでてきたサイト、

白い密集」という写真サイト。
おそらく同年代の女の子が、日々の写真を淡々とアップしているサイトだった。
そのときなんとなく気に入って、勝手に友人のIEにブックマークして、
その友人の家に遊びに来るたびに更新をチェックしたりしていた。
道端の雑草
食べかけのお菓子
テレビの画面
風に舞うビニール袋

私が10代の頃にたくさん撮った写真に似ている気がした。
晴れた日の写真がとても多かった。
冬は雪が降り積もる風景が多かった。

もう全く写真を撮らなくなった私の代わりに
彼女が撮ってくれているような気がした。

あのころの私は、この女の子の写真が好きだった。

http://www.ne.jp/asahi/white/crowd/

今日、なんとなく習慣的にパソコンの前に座ってブラウザを開いた。
そしてひさしぶりに、googleの前で途方にくれた。

私は今、何を知りたいというのだろう。と。

そして、不思議と自動的にこのサイトを思い出し、

白い密集

と、数年ぶりにドアを叩いたというわけなのだ。

ひさしぶり。

コメントをどうぞ。 現在2件

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イーゴン

>ビーフちゃん

またですか。
こいつは何かの縁ですね。

この「白い密集」の、かんのさゆりさんの写真は、
なんか、こう、特別な環境からの表現ではなくて、
いわば「隣人の表現」といった感じの親しみがあり、
自分にもあり得た風景を見せられている気がします。

ビーフちゃんの歌にも、そんな感覚があります。
私が歌ったかもしれない音楽。という感じです。

2009/03/07 (Sat) 15:11

ビーフ

この方、大学の後輩さんかもです。
また、すこしだけつながりましたね。
(ひょっとしたらお会いしてるかも・・・。)

2009/03/03 (Tue) 03:54