田中の「ルッキン展」に行ってきました。
田中の「ルッキン展」に行ってきました。
また、下北沢です。

作家の田中ひろたか君は、私が美大受験生を教えてたときの生徒でした。
その頃は、彼の作品に対しては、明確な目標とゴールがありました。
それは、志望校に合格できるか否か、というジャッジラインがあり、
そのラインにもとづいて、アドバイスをする。
合格できるパーセンテージを上げていくことが私達、教える側の仕事でした。
考えてみると、そんなかつての生徒の個展なんかに行くのは初めての経験でした。
興味があったのは、私は今、学生ではない彼に対してどんな事を話すのだろうか、ということでした。
もちろん彼の作品や、考えに対しての興味もありました。
ギャラリーに入ると、大男が椅子に座って、寝てました。
田中よ。
会場は、壁一面に設置された作品。カラフルな空間。
作品も結構売れているようでした。
デジタルデータで作成したこれらの作品は、複製可能であり、
モチーフや題材の選び方、コンセプトに関しても
自分の無意識的な目線の先にあるものを、意識的に定着させて、
妄想でデフォルメ、フレーミングして、スナップで切り取る。
というものですな。
フォトグラファー的な考え方なんだなと、思ったよ。
その点でいうと、これらの作品は、絵画展というよりは、
「写真展」のような感じがしたよ。

妄想デジタル写真。
フォトグラファーとグループ展やれば面白い見え方がするんじゃないかな、と思った。
そんなキュレーションする人がいればいいなぁ。
あと、これ、↓広重の作品

この広重の、変なフレーミングの作品を連想しました。
この「ルッキン展」で描かれているモチーフは、顔がかかれておらず、モチーフ(被写体)の個性は無い。
思うに、それって「風景画」なんじゃないかと思った。
「ポートレート」では決してなく、「スナップ」である。と。
なので、北斎の「富岳百景」みたいに、この「女子」の向こうに、時世の風俗や地域性のようなものが写りこんでいたりすると、シリーズで面白い感じになるんじゃないかと思った。
田中にバイバイしたあと、のぶちゃんからメール。
「下北にいま、いたりしますか?」
はい。居ました。今週もいました。
のぶちゃんは、私の先輩講師であり田中の先生でもありました。
私は、もう一回のぶちゃん先生を連れて、田中のギャラリーへ。
ひさしぶりの講評会みたいになりました。
色々と、おもしろい。
田中、おもしろそうだから、続けてね。
※下北の個展は今日でおしまい。
次は6/25から銀座のペッパーズギャラリーで開催します。