田中の「ルッキン展」に行ってきました。

2009/05/11
ストップ疎遠運動実施中の私は、本日もやはり下北沢に赴き、
田中の「ルッキン展」に行ってきました。

また、下北沢です。


作家の田中ひろたか君は、私が美大受験生を教えてたときの生徒でした。
その頃は、彼の作品に対しては、明確な目標とゴールがありました。
それは、志望校に合格できるか否か、というジャッジラインがあり、
そのラインにもとづいて、アドバイスをする。
合格できるパーセンテージを上げていくことが私達、教える側の仕事でした。

考えてみると、そんなかつての生徒の個展なんかに行くのは初めての経験でした。
興味があったのは、私は今、学生ではない彼に対してどんな事を話すのだろうか、ということでした。
もちろん彼の作品や、考えに対しての興味もありました。

ギャラリーに入ると、大男が椅子に座って、寝てました。
田中よ。

会場は、壁一面に設置された作品。カラフルな空間。
作品も結構売れているようでした。

デジタルデータで作成したこれらの作品は、複製可能であり、
モチーフや題材の選び方、コンセプトに関しても
自分の無意識的な目線の先にあるものを、意識的に定着させて、
妄想でデフォルメ、フレーミングして、スナップで切り取る。
というものですな。

フォトグラファー的な考え方なんだなと、思ったよ。
その点でいうと、これらの作品は、絵画展というよりは、
「写真展」のような感じがしたよ。




妄想デジタル写真。

フォトグラファーとグループ展やれば面白い見え方がするんじゃないかな、と思った。
そんなキュレーションする人がいればいいなぁ。

あと、これ、↓広重の作品

この広重の、変なフレーミングの作品を連想しました。

この「ルッキン展」で描かれているモチーフは、顔がかかれておらず、モチーフ(被写体)の個性は無い。
思うに、それって「風景画」なんじゃないかと思った。
「ポートレート」では決してなく、「スナップ」である。と。

なので、北斎の「富岳百景」みたいに、この「女子」の向こうに、時世の風俗や地域性のようなものが写りこんでいたりすると、シリーズで面白い感じになるんじゃないかと思った。


田中にバイバイしたあと、のぶちゃんからメール。
「下北にいま、いたりしますか?」

はい。居ました。今週もいました。
のぶちゃんは、私の先輩講師であり田中の先生でもありました。
私は、もう一回のぶちゃん先生を連れて、田中のギャラリーへ。
ひさしぶりの講評会みたいになりました。
色々と、おもしろい。


田中、おもしろそうだから、続けてね。

※下北の個展は今日でおしまい。
  次は6/25から銀座のペッパーズギャラリーで開催します。

Comments 2

コメント、まだ無し。

ひろたか

来てくださって、ありがとうございました!!
寝てたのは、あの10分くらいがたまたま暇だったからで…w

北斎は僕と近い感覚で作品作ってた気がします。

「富嶽三十六景」に、「富嶽百景」に、逐一富士を捉えた視界を書き出すことで、富士の美しさを、そして自分がとにかく富士を美しいと感じていることを表現してるのではないかと。
その共通認識からも、僕の作品は確かに「風景画」で「スナップ」なんだと思います。

風刺や地域性を画面描写に取り入れることも考えたけど、山口晃みたいになっちゃうなー、と思ったんですよね。好きなんですけど、あれには勝てない。
だからむしろ、制服の形や持ち物で時代表現したほうが、潔くて面白い画面作れるんじゃないかと思ってああなりました。まぁ潔い理由は他の情報がなくなるからですが。

あとこの広重の作品いいですね!初めて見たけど、ざっくりしてて、この船漕いでる人(なのか?)の、脚と棒と手と紐と、っていう実際の視野に入り込むフレームをトリミングして、注視している風景をより鮮明に書き出してる。好きです。
にしても広重の青綺麗だなー

と、長文失礼しました。

2009/05/12 (Tue) 12:31

イーゴン

>ひろたかちゃん

広重は良いですね。大好き。

ひろたかちゃん、
是非続けて下さい。

2009/05/12 (Tue) 23:53




投稿フォーム