イーゴン自治区

『資本論』も読む

2009/09/02

宮沢章夫さんの本です。2005年に出版されたやつの文庫化。

私には長年に渡って折に触れては気にし続けてきたものが、2つある、
ひとつは、「機動戦士ガンダム」というやつだ。
団塊ジュニア世代の男子の通過儀礼といってもいい、ガンダム。

私は、ガンダムを、唯の一回も見たことが、無い。

そりゃあ、ね、ぼんやりとは知っている。
親父にもぶたれた事の無い天然パーマの男の子がロボットに乗ってさ、
あれだ、がんばる話だ。

と、その程度の認識だ。
あと、ジオン軍だ。

以前仕事でガンダムのWEBサイト制作に携わった事があるが、
調子よく「格好いいっすよね、あのロボット。」とか適当なこと言ってたら
バンダイの人に「ロボットじゃない!モビルスーツだ!」と、怒鳴られた事がある。

お土産に、結構でかい「量産型ザク」のプラモデルをもらったが、
正直、「なに?敵キャラ?」くらいの温度感だった。ごめん、バンダイ。
いらなかったので会社の同僚にあげると、超喜んでいたっけ。

ガンダムは、もはや国民的な作品であり、熱狂的なファンも多い。
そんな作品は、絶対に面白いに決まっている。

しかしながら私はガンダムを知らない。
ただ、タイミングなのだ。私にはタイミングが無かっただけなのだ。

いつか見てみよう、きっとすごく良い体験になるはずだ。
そう思いつづけている。今でも折に触れては気にしているのだ。
あの、モビルスーツという奴を。


そして、もうひとつはこれだ。
そう、マルクスの「資本論」だ。

私はマルクスの「資本論」を読んだ事がない。
読む必要があるのか、とも思うのだが、近代における歴史的な名著であり
教養としては取り組み甲斐のありそうな、やっかいな「山」のような存在だ。

それは例えば、
メルヴィルの「白鯨」であり、ドストエフスキーの「罪と罰」であり、
カントの「純粋理性批判」であり、プルーストの「失われた時を求めて」であり、
「三国志」であってもよいのかもしれない。

でも、私は「資本論」のことを気に掛けている。
なぜならば、私はまだ、資本論を読んだ人間におそらく合った事が無いからだ。
ガンダムの話ならば、情熱的に朝まで語って聞かせてくれる人は結構いると思うが、
この「資本論」に関してはどうだろう。下馬評が聞こえてこない。

有名だけど、一体どういう本なのだろうか、というシンプルな疑問が
そこにはありつづけている。

時々本屋の新書コーナーとかで、「まるわかり資本論」とか、
「1時間で理解できる資本論」とか、そういうのがあったりするが、
そんな簡単に理解できるようなら、本体いらねぇじゃん、とも思う。

密かにみんなが気にしてて、できれば1時間で理解したいと思ってる本。
それが資本論だ。とおもう。

実は私も何冊か「資本論」に関する要約した本や、ガイド本を買って持っている。
が、しかし、内容がめんどくさい事になっているので、すぐに寝てしまう。

そんな日々が続いていたが、この本だ。
『「資本論」も読む』

タイトルがふざけている。「も」というのがいい。

内容は、著者の宮沢章夫が「資本論」に取り掛かるところから順を追って
どこがどんな風に面倒なのか、という事を細かく説明してくれている。
同じくらいの目線の人が一緒に歩いてくれているような感覚でわかりやすい。
そして笑える。

「も」という部分だが、これも頷ける。
なぜなら、資本論の解説と奮闘記の間々に、著者の普通の日記が
差し込まれている。

日記、資本論、日記、資本論、、といったインターバルで書かれている。
日記もあるし、資本論もあるよ、という雰囲気だ。

なめられたもんだ。

だが、わかる予感がするのだ。わかっちゃうかもしれないぞ!という予感だ。
この「予感」だけが今の私の希望だ。

マルクスも、こんなことになるとは、思いもしなかっただろうに。

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