なんだか夢を見てるみたいだ。
2006/05/06

マザー牧場は、とても広くて、牛さんや、馬さんや、羊さんが
たくさんいました。あと豚さんもいました。
よく晴れた連休だったので、たくさんの親子や、恋人や、それ以外のひとが
どこかの国の難民キャンプのような感じで、ひしめき合っていました。
僕らはお腹が空いたりして、何か食べものを売ってるところに行くと、
モクモクと煙をあげて、ひどくたくさんのウインナーが焼かれている売店が
ありました。バナナほどの大きさの、骨つきのウインナーが焼かれていました。
やはりそこにも、難民たちはゾロゾロと長い列をなして、
はしゃぐわけでも無く、怒るでも無く、煙の中に迷い込んで行くのでした。
タタミ半畳ほどの金網の上には3、40本ほどの骨つきのウインナーが
「原」という名札をつけた男と、「矢木」という名札を付けた男に
手際良く転がされ、次々と、文字どうり飛ぶように売れて行くのです。
僕らもやはり例外無く、
「原」という名札をつけた男と「矢木」という名札を付けた男が焼いた
骨つきのウインナーを、ほおばるのでした。
そんな昼下がりのマザー牧場には、なぜだかデブがたくさんいました。
親子のデブ。恋人のデブ。それ以外のデブ。
僕らはそんな彼等に混じって、羊をさすったり、馬をさすったり、
豚をさすったり、したのです。
夕方になり、そろそろ帰ろうか、なんてムードの僕たちは、
また、来た道を引き返すように、出口にむかうと、
まだ、原」という名札をつけた男はウインナーを焼いていたし、
肥った難民たちの行列は、まだ煙の中に流れていました。
僕らは、彼等がハムになっちまわないか、と心配をしましたが、
まあ、いいか、というムードだったので、そのまま帰ったのでした。
