イーゴン自治区

自転車はグルグルと街を回遊する。の巻

2006/05/29
治安の悪い街に住んでいる。

家の前のコンビニに、二度強盗が入った。
家の前の焼肉屋で、放火犯が捕まった。
家の前で数人の警官が防弾チョッキを来て、
「スキンヘッドの男を見つけ次第、確保!」
と、無線らしきもので指示を出していた。
最寄りの駅で、催涙ガスが噴射された。
今夜も近所の道ばたで、アメリカ人の男女が
取っ組み合いで殴り合っていた。
夜になると、毎日同じルートを全力疾走の自転車が
「まー!まー!」と叫びながらグルグルと走る。
ツール・ド・なにがし。である。

人間という生き物は非常に順応性が高い動物だと聞いた。
新しい生活環境にもやがて順応し、快適さすら覚えはじめ、
そのうち飽きて、結果、麻痺してゆく。

ゲトーとまではいかないにしろ、ここは治安が悪い。
夜、女がひとりで歩いてたらレイプされても仕方ない、
というほどではないが、割と治安が悪い。
しかしながら住めば都か。
ここでの暮らしもだいぶ慣れ、割と快適に過ごしている。
中国人や朝鮮人や韓国人やインド人、そしてそれ以外の人達。
「ダージリン」という名のお気に入りのカレー屋さんもできた。
もちろん店員は100%インド人。もしくはネパール人。
注文を聞きに来る利発そうな男も、愛らしいウェイトレスさんも
厨房でナンをこねてるタフな連中も100%インド人。あるいはネパール人。
インド人のウェイトレスさん。
この店に来て、はじめてインド人をかわいいと思った。

多国籍、とまではいかないが、きっと暮らす人それぞれに
これといったライフスタイルがあり、多様である。
なによりここは江戸の下町。下町ならではの暮らしぶりも残っている。
商店街も活気に満ちている。
昔ながらの商店も多い。ご年配の方々も元気である。
コンビニエンスに慣れきった自分が恥ずかしくもあり、
なんだか居場所が無いような所在なさに駆られたりもしたが、
少しずつではあるが、慣れてきている。

清濁合わせ飲む、という言葉があるが、まさにそういった街である。

美しい寺や神社。坂道、路地裏。
犯罪や暴力、浮浪者、汚物。

今夜も「まー!まー!」と叫ぶ声が響き、
自転車はグルグルと街を回遊する。
こんなことにすら人々は慣れてゆき、
やがて当たり前になってゆくのだ。

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キツネ

共存が可能だということが示せれば、
一色に染める必要はないんですな。
自分と違うものがあったっていいんですよ。
一色に染めなきゃ不安で仕方がないってのは宗教か病気。

2006/06/13 (Tue) 18:17