宙に浮く。の巻

2006/06/28
「ドリカム」というのがある。

「ドリームズ・カム・トゥルー」という英文を日本人が
簡易に呼びやすく略したものである。和訳すると
「夢が現実のものとなる。」
という意味だ。

数年前のある午後、何気なくテレビを見ていると、
「夢が現実のものとなる」こと、ドリカムのボーカルの
吉田美和さんが、タモリさんと話していた。

「どうなの、最近は。」と、タモリ
「あのねぇ、昨日までニューヨークにいたの。」と、吉田

無邪気で屈託の無い吉田さんは次の瞬間こういった。

「ていうかねぇ、ドリはニューヨークに住んでるのね、今。」

"ドリ"ときたか。

ドリームズ・カム・トゥルー。
「夢は叶う」の略がドリカムだとすれば、
もう叶ったから「ドリ」なのだろうか。
それとも、あるいはメンバー1人が減ったからか。

柳沢慎吾さんはロサンゼルスのことを、
「ロス」でも「L.A」でもなく
『ジェルス』と呼んでいる。

言葉が略されてゆくという事は進化の過程である。
乗り物とかが流線型のフォルムを獲得してゆくのと
同様に、よけいな部分が削ぎ落とされてゆくのだ。

以前、キャスター・マイルドを吸っていた時期、
当時の恋人にお使いをたのんだ事があった。

「キャマイ、買って来て。」

キャスターマイルドの流線型、キャマイ。

しかし五分後、彼女が買って来てくれたのはキャメルだった。
わたしはキャメルを吸わない。パッケージのラクダをながめては、
誰のせいでもないこの状況の宙に浮く。

ポツンと宙に浮いてしまう感じ。
そんなことが、たまにある。

ドリもジェルスもキャメルにもそうなった理由があり
誰のせいでもない必然の現象。

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