市川実和子みたいな感じ。の巻

2006/07/21
近頃の移動中は、カート・ヴォネガット・ジュニアの
「タイタンの妖女」という小説を読んでいます。
この作品は作者の語り口に馴染めるかどうか、人それぞれかとは思いますが、
こいつは面白いです。まだ全部読んでないけど、もう、ファンです。
内容について、ここでは詳しく語りませんが、たとえばひとつ、
こんな言い回しがありました。

「彼女の顔は唯一独特のものであり、
  なじみ深い主題の驚くべきヴァリエーションであった。」

どうでしょうかね。こんな一行。

つまり、彼女の容姿はよくある類いの不美人ではあるが、
なるほど、こういう美しさもあるのか。と思わせるようなヴァリエーションである。
というニュアンスの表現なのです。
簡単にいうと、市川実和子みたいな感じです。
なんつーか、ブス可愛いみたいな。

一般的なカテゴリーで考えると、ダメな部類に属すものでも、
例外的に非常に魅力的な場合があります。
なじみ深い主題の驚くべきヴァリエーション。

こんな言い回しを、サラリと普通の描写に用いるあたりに
エスプリというか、いわゆるセンスってやつを感じます。
小説のテーマや題材やストーリーはどうあれ、
言葉を生業にしている人間の文章は
こうでなくっちゃだめですよ。お金を払っていい文章ってこういうもんですな。

もちろんストーリーも内容もスリリングかつ刺激的です。
御一読の価値、大いにあり!
カート・ヴォネガット・ジュニア
「タイタンの妖女」

Comments 2

コメント、まだ無し。

メスライオン

寺島しのぶなんかもそうじゃないでしょうか。
ブス妖艶、みたいな。

2006/07/21 (Fri) 15:41
イーゴン

イーゴン

寺島しのぶね。
あの人、おでこ狭いよね。

2006/07/23 (Sun) 00:20




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