イーゴン自治区

なんていう名前の曲

2007/11/24
小学生の頃、まだCDもMDもmp3も全然無かった頃、お小遣いも無かった頃。
FMとかAMとかから流れる音楽を、いちいちカセットテープに録音していた。
なんだか60年代に青春をすごした世代の人たちみたいな感じだけど、
90年代になっても、そんなふうにして田舎の子供は、世界と、ようやっとつながっていた。

そんな時期に気に入った音楽がたくさんあり、それらのほとんどは、なんて言うジャンルの音楽であり、なんていう名前の曲であり、だれの曲あるか、完璧にとまではいかないけども、あらかた解決していた。

そんな解決済みの音楽は、大人になってから改めて買いなおしたり、いつのまにか手に入れていたりして、「手に入れた」というコレクター的なニュアンスで捉えると、もう自分のものになり、すっかり消費してしまった気がしていた。

今夜、街の交差点で、周りのみんなと同じように赤信号を睨んでいると、こんなに寒いのに窓を開けた車がゆっくりと通り過ぎた。

カーステレオから、あの頃にラジオから録音して、何度も聞いていた音楽が聞こえた。
解決していない音楽だった。
なんていう名前の曲であり、だれの曲あるか。

信号が変わって周りのみんなは動き出して、その車も行ってしまった。

何でも売ってて、何の所在でも検討がつく世の中で、こういう再会があるということがとても素晴らしいことのように思えた。

今もあの曲の正体はわからないままだけど、またいつかこの先どこかで聞こえてくることがあるかもしれないと思うと、歳をとるのも悪くないかな、なんて思った。

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