ヒメアノ-ル
2009/10/08

古谷実のファンなのですが、今やってるこの「ヒメアノ-ル」が面白い。
たぶん、「稲中」から今までの中で一番好きかもしれない。
快楽殺人者と、平凡な青年と、ひねくれた中年童貞、女たち。
それぞれの等身の人生観が、
交差したり、しなかったりする、スリリングで不穏な日常。
今のところ、怖い部分と、笑える部分が交差していないが、
これからどうなるかがドキドキです。
このまま、交差しないまま終わったとしても、それはそれで怖い。
狂気の毎日を過ごす者と、ささやかな喧騒に明け暮れる者、
彼等の日常が同時進行でありつづけるという現実は、
あたりまえのことなんだ、と、頭で理解できるほどに、恐ろしくなる。
例えば駅のホームで電車を待つ間、うしろに並んでいる人間の事を
私は知らない。
コンビニでとなりで立ち読みしている人間の事を
私は知らない。
となりのマンションで、今まさに、何が起こっているか、
私たちは知らないのだ。
あの国や、その国で、戦争が起こっていることは知っているが、
それって、どういう事なのだろうか。
普通の毎日のとなりで、恐ろしい日常が同時進行している世界に
私たちは息をしている。
4巻はとても面白かったです。