鬼平犯科帳(1)
2009/10/17

読み始めましたよ、「鬼平」。
1巻の最初の1話だけ、さっき読んで、今この記事を書いています。
このあいだ買った、「秀吉の枷」の文庫の上巻を読み終えて、いよいよ本能寺終わりで明智を打ちに走る秀吉の続きを読みたくて、早速本屋へ中巻を買いに行こう!と思っていたんだけども、
「あ、鬼平も買ったんだったわ。」
と、思い出して、
コーヒーの湯を沸かす間にちょっと読むか、って感じでページを開いた。
さっきまで、秀吉の続きが気になっていたんだけど、
あんなのどうでもいいわ。
鬼平犯科帳のほうが25倍くらい面白い。
いあぁ、なめてたわ。池波正太郎。
知らないって事は、損だね。だいぶ損してたね俺。
なんかさ、子供の頃からずっと、映画でも洋画とか好きで、
「ハードボイルド」とか「クライムアクション」とかさ、
アメリカやヨーロッパのものばっかり見てきたんだけど、
たしかに、あっちの作品はスタイリッシュだし、幼心に響くものはあるんだけど、
この「鬼平犯科帳」のほうが、エンターテイメントだね。カッコいいし、渋い。
舞台が太平の江戸時代ってのがいいね。
さっき読んでた「秀吉のなんとか」みたいな、舞台が戦国時代のものとか、あとは、幕末モノとか、三国志とか、ああいう「動乱の時代」を背景とした、群雄が割拠する物語もクライマックスがあって面白いんだけど、ロマンこそあれ、ペーソスや人間臭さがあまり無い。
好きだけどね。
現代の刑事ドラマや探偵小説は、
平和な世の中に悪事があり、ヒーローがいる。
ヒーローにも暮らしがあり、矛盾や哀しみを抱えている。
そういう人間味が作品やキャラクターの魅力になっている。
鬼平の1話は、そんな人間味の溢れる滑り出しだ。
人間の弱さ、哀しさ、そして人情。
非常に現代的なドラマ。
もちろんアクションも、色気も、残酷なシーンもあった。
それぞれの要素が、いい具合の配分。
これからこんな小説がはじまるよ、という宣言のような始まり方。
チャンドラーのフィリップ・マーロウもいいが、
池波正太郎の長谷川平蔵もいいぜ!
文庫で24巻もある。
これから読む愉しみがいっぱい残ってて、うれしい。