ヌルヌルと失業
2010/04/05
あれは2004年の年末、退屈だったあの頃の私は
「ぶらり途中下車の旅」に出た。
何となく乗り込んだ電車が向かったのは、新潟県は「柏崎駅」。
特急電車にゆられ数時間、降り立った街は冬の気配。
凍てつく大地。曇天。さっそくレンタカー屋に行き、
車を借りる事にした。
赤い看板の「ニッポンレンタカー」。

「この辺で面白いとこない?」
と、レンタカーやのおばちゃんに訪ねると
「トルコ文化村ってとこがあるよ。」との答え。
「何が見れんの?」と、私。
「本場トルコ人のオイルレスリングとか。」と、おばちゃん。

こいつは見たい!カーナビに助手をまかせて、一路トルコ村へレンタカーを走らす。
期待に胸躍らせ数十分後、村の駐車場に着いたとこで携帯が鳴った。
さっきのおばちゃんからである。
「たった今、情報がはいりました。」と、なぜかエージェント風。
「どんな情報だね?」と、私もエージェント風に答える。
「トルコ村の経営状態が悪化してまして、…いま休館だそうです。」
あぁ、がっかりである。
「早く言ってよね、もう。」と悪態をつく私。
「たった今入った情報なもんでね。へへ。」とおばちゃん。あんたは何だ。
結局、オイルレスリングは見れずじまいだった。
私は帰りの電車で、失業したオイルレスラー達を思った。
遠いトルコからやって来て、
日本の雪国でヌルヌルと相撲をとってた男たちを
私は、想像した。
「ぶらり途中下車の旅」に出た。
何となく乗り込んだ電車が向かったのは、新潟県は「柏崎駅」。
特急電車にゆられ数時間、降り立った街は冬の気配。
凍てつく大地。曇天。さっそくレンタカー屋に行き、
車を借りる事にした。
赤い看板の「ニッポンレンタカー」。
「この辺で面白いとこない?」
と、レンタカーやのおばちゃんに訪ねると
「トルコ文化村ってとこがあるよ。」との答え。
「何が見れんの?」と、私。
「本場トルコ人のオイルレスリングとか。」と、おばちゃん。

こいつは見たい!カーナビに助手をまかせて、一路トルコ村へレンタカーを走らす。
期待に胸躍らせ数十分後、村の駐車場に着いたとこで携帯が鳴った。
さっきのおばちゃんからである。
「たった今、情報がはいりました。」と、なぜかエージェント風。
「どんな情報だね?」と、私もエージェント風に答える。
「トルコ村の経営状態が悪化してまして、…いま休館だそうです。」
あぁ、がっかりである。
「早く言ってよね、もう。」と悪態をつく私。
「たった今入った情報なもんでね。へへ。」とおばちゃん。あんたは何だ。
結局、オイルレスリングは見れずじまいだった。
私は帰りの電車で、失業したオイルレスラー達を思った。
遠いトルコからやって来て、
日本の雪国でヌルヌルと相撲をとってた男たちを
私は、想像した。