セドリック・クラピッシュ監督の映画「paris」
2010/04/29

セドリック・クラピッシュ監督の「paris」を観ました。
2008年のフランス映画です。
モニーちゃんに薦められて観ました。
感想文です。
自分の人生を肯定するために、人はどのようなプロセスをたどってゆくのだろうか?そのプロセスは多様で、複雑な条件や要素、アクシデントや出会いが絡まりあったものだ。
誰もが「ある街」に暮らしている。
東京、大阪、名古屋、仙台、新潟、京都、沖縄、
パリ、ロンドン、ニューヨーク、
上海、バンコク、サンパウロ、
スリジャヤワルダナプラコッテ。
自分が暮らす街があり、家族や兄弟や恋人、敵や味方、上司に部下、色々な人とすれ違ったりぶつかったりして生活している。
私たちは、自分の人生を測るために、他人と比較することがある。
どんなポイントで比較するか?容姿、能力、収入、というとこだろう。
キレイ事を言ってしまえば、
「自分らしくある事が大切よ。
他人の事なんてどうだっていいじゃない。」
と、なるが、違うね、それは嘘だね。
自分の境遇は唯一オンリーワンのもので、いかんともしがたい。それぞれ「それなりの幸せ」というがあって、決して他人とは共有できるようなものではなく、でもまぁ、いいか。
この「paris」はそんなドライな映画でした。
印象的だったシーンは、あの市場の労働者連中とビッチなセレブ女達との夜。その別れ際のシーンが良かった。彼らの愛すべきものはなんなのかという事。
この映画は、一見「限りある人生を満喫しよう」といったポジティブな感じに見えるが、ちょっと違う。っていうか全然違う。階級とか民族とか、そういった社会的なテーマも盛り込みつつの、「実存主義」がテーマだった。いかにもパリって感じだぜ。
リア充って、何だろう。
★★★☆☆