イーゴン自治区

アイスクリームのなめ方/映画「ぼくを葬る」

2010/05/03


フランソワ・オゾン監督の「ぼくを葬る」を観ました。
2005年のフランス映画です。
モニーちゃんに薦められて観ました。

31歳。私と同い年の男が主人公。

ファッション誌かなんかのカメラマン。
ゲイで若い恋人あり。
家族とは疎遠で、若干の確執もある。
身勝手で利己的な印象。
末期ガン。
余命3ヶ月。

はい。先は読めますねこの設定。
あとは説明しませんよ。

この映画は、人間の生に対する本能についての物語だ。

ゲイっていうキャラクターは、あらゆる「生と死」についての物語の記号としてとっても使い勝手のよい便利な存在わけですが、この作品ではそのベースの上に、まぁ卑怯者かっていうくらいに「末期がん余命3ヶ月」とか「家族との不和」とか「不妊症の夫婦」とかさ、そういうのをかぶせてくる。で、主人公のおばあちゃんがジャンヌ・モロー。

フランスの野島伸司かよ。

とまあ、設定に関してはもうこの時点で、馬鹿でもある程度格好がつく作品が撮れるお膳立ては整いまくっていますね。

映画開始序盤、私は鼻くそをほじりながら
「説明しなくてもわかるよ。はしょっていいよ。」
とか言って、お菓子食べながら見てましたが、
後半20分、非常に興味深い時間が訪れます。

まず、台詞が一切なくなります。
そして、あのラストシーンはとても美しかった。

バスタオル買って、海水浴場へ。
浅瀬で波に戯れたり、
写真をとったり。

孤独というものをこれほどまでに上手に描いたシーンを私は見たことがないかもしれない。
あの、アイスクリームのなめ方!
あの、波への入り方!
あの、ひざを抱えたタバコの吸い方!

私はあんなふうには死にたくない。
あんなふうに死なないように生きようと思った。

でも、実際はみんな、あんなもんなのかもしれないな。

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