君と僕と5ドル原理主義者のはなし

2011/10/18
TBSラジオの「菊地成孔の粋な夜電波」という番組の第24回のラストで、
菊地成孔がこんな事言ってて感心したというか、
まったく同感だ、と思ったので、ちょっと書く。

「私は、音楽が美しいという事、話が面白いという事に関しては、
 狂信的といっていいほど信じているといって憚りありません。
 いい音楽さえ流れてて、面白おかしい話さえしてれば、それでいいだろう、と。」


これを聴いて、思い出したのが、
子供の時にみた「リアリティ・バイツ」というつまらない青春映画のワンシーン。
トロイがリレイナにこう言うシーンがあった。

「僕はこれだけで満足だ。タバコとコーヒー。おしゃべり。君と僕と5ドル」

この映画は、サウンドトラックはバカ売れしたが、
内容は、どうかと思うほど面白くなかった。
でもこのシーンだけは凄く好きで、青春期の私は、言わば
「君と僕と5ドル原理主義者」といっていいほど、
その価値観に共感していた。

タバコとコーヒーとおしゃべり。
私にとって、ただこれだけしか無かった時期がざっと5年はある。
今考えると、それはただの「怠け者」じゃねぇか、とも思う。
当時迷惑を掛けた人も多かったと思うが、後悔は一切無い。
ただ純粋に、楽しかった。付き合ってくれてありがとう、と思う。

この先、何らかの改心や外的な圧力によってタバコが取り上げられたとしても、
おしゃべりだけは、どうかこの人生から奪わないで欲しいと願う。

音楽も大好きだけど、それは、いよいよひとりぼっちになった時にでも
十分に楽しめるものだから、優先度は2位、というところかな。

例えば、もし1日に1回しか電車が来ない辺境の駅で、駅員として働く事になっても、
気の合う同僚が1人いて、2日に1回ペースで若い女でも下車してくれて、
タバコとコーヒーとおしゃべりがあれば、結構たのしいとおもう。

同僚が風邪で休んで、若い女も下車しない日のために、
一応ラジオがあると、そんなに寂しくならずに済むかもしれない。
あとは、その駅の地域にTBSラジオの電波が入るかどうかだけが心配。

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