イーゴン自治区

もう愛と勇気だけが友達だなんて言わないよ絶対。

2011/11/25
「なにがきみのしあわせ?なにをして喜ぶ?」 
甘いピロートークではなく、これは、例のパンのテーマソングである。 

アンパンマンのコンセプト、それは「食べられるヒーロー」。 
やなせたかしとやら、やるな。と、幼心の私は感心したものだった。 

 「そうだ、恐れないで、みんなのために。愛と、勇気だけが友達さ。」 

愛と勇気だけが友達。
寂しい事言うなよ、と、幼心の私は落胆したものだった。

ヒーローは孤独を愛するもの。
ギリシャのイカロスも、勇気一つを友としていたのだ。やむなし。 

私には友達がいる。
驚くべき事に、大人になっても友達がいるのだ。
子供の頃は、大人には友達なんていないと思っていた。
しかしながら、恵まれたもんだ。ありがとう友達。 
小学校、中学校の頃、
人気者の友達の家の玄関には、
いつもたくさんの自転車が停められていて、
家の中ではファミコンとかして、
キャッキャウフフな感じだったとおもう。 

友達とはなにか?
それは自転車でやって来る者である。

車ではなくて、自転車だ。

そんな友達が私には居る。自転車でやってくる者達だ。
彼らの自転車は、高級だ。
何十万円もする、何やら本格的な自転車だ。
大人の友達は、こういう感じだ。

自転車を玄関に乗り捨てて、
我が家の台所でメシを食ったりする大人の友達。
私はこっそり玄関を出て、外から自転車が止まってる様子を眺める。
中学生みたいだ、と思う。友達が遊びに来てるな、と思う。

大人の自転車は、いろいろと奥が深いようで、
彼らはよく自転車の話をしている。
何の話をしているのかさっぱりわからないが、
たぶん「5段変則」や「格好いいライト」の話だと思う。

ヒーローは孤独であり、愛と勇気だけが友達なのだとしたら、ヒーローんちの玄関には自転車でやってくるような友達は、いないのだろう。
私はヒーローではない代わりに友達が居て、頭を食べさせてやることは出来ないけどアンパンくらいは食べさせてやれてる家族もいて、そんな小さなコミュニティが今のオレの全てさ、なんて、
寒い朝とかにたまに思ったりする。

この世の中に大きな物語があるとして、誰もがその世界の主人公だと錯覚している時がある。
その時期をなんと呼ぶのかはわからないが、
それはとても素晴らしく快適な季節みたいなものだと思う。

大きな物語からスピンアウトして、劇場公開はしないがDVDが出るかも、みたいな展開がやがてやってくるとしたら、それがそれぞれの、新しい物語の始まりなんだと思う。
そのスピンアウトDVDのキャストは、今から考えておくといい。

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